生前対策 - 相続税の計算方法
前回の続きの生前対策について、相続税の簡単な計算方法をご紹介しますね。
ケース1
法定相続人:配偶者と子供2人
自宅:戸建て、300 ㎡
固定資産評価額:土地 7000万円、建物 1000万円
預貯金、株、債券など:2500万円
生命保険金額:2000万円
正味遺産額 まず遺産の合計を計算してみます。
預貯金、株、債券など 2500万円。これは申告通りです。自宅は以下のようにして
価値を算出しました。
被相続人が相続開始の直前において、住居していた家屋の敷地(特定住居用面
積 300㎡、固定資産評価額 7000万円)の場合
7000万円 x (1-0.8) (減額割合 80%、つまり5600万円減額)=1400万円
これより土地(特例適用):1400万円、そして建物 1000万円。因みにこの特例と
は、居住用宅地(330㎡まで)など一定の要件に該当する土地の場合には特例の
減額後の金額となるという意味です。
死亡保険金 は 入金額2000万円-500万円×法定相続人3人=500万円 として
算出されます。
2500万(預貯金、株、債券など)+1400万(土地)+1000万(建物)+500万(死亡保
険金)=5400万
ここから葬儀費用 200万円を差し引いて 遺産総額は5200万円となります。
基礎控除額 平成27年1月1日以後に相続が開始(被相続人が死亡)した場合 基礎控除額:3000万円+600万円×法定相続人の数 となるので、このケースでは
3000万+600万×3人=4800万円 です。
正味の遺産額が基礎控除額以下の場合には相続税はかかりません。また生命保
険や死亡退職金の非課税限度額はそれぞれ500万円×法定相続人数となります。
上記より
課税遺産総額:5200万円(遺産総額)-4800万円(基礎控除額)=400万円 と算
出できました。
法定相続分で按分すると、
配偶者は400万円×1/2=200万円、そして子ども各々200万円×1/4=100万円
この相続にかかる税金は 配偶者:「税額控除」で、納税0円
子ども:100万円×相続税率(10%)-控除(50万円)=納税0円
このケースでは、不動産の評価で遺産相続が大きく変わることがわかりました。実
際に居住しているかどうかが評価のポイントとなります。また上記の計算方法で、
相続税対策が必要か否かも明確かと思います。
でも、実は家裁遺産分割事件の70%が、上記のケースより少ない遺産額5000万
円以下でおこっています。
なぜ?
続きは次回ということで。ありがとうございました。
参照:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4152.htm